Nature ハイライト
遺伝:エピスタシスによるヒトゲノムの遺伝的差異
Nature 508, 7495
エピスタシス(ある形質に1か所の多型が及ぼす効果が、ゲノム中に存在する他の多型に依存して決まる現象)の例は、モデル生物や家畜化された生物では何度も実証されているが、ヒトではほとんど明らかにされていない。今回著者たちは、高度な計算処理と遺伝子発現研究デザインを利用して、ヒトの一般的な一塩基多型(SNP)間にもエピスタシスの実例が何百も存在することを示した。彼らはエピスタシスとその影響の傾向が、独立したコホートでも再現されることを明らかにしている。3個以上のSNPからなるエピスタシスネットワークが多数の遺伝子の発現レベルに影響を及ぼしておりシスに作用する1個のSNPが、トランスに作用する数個のSNPによって調節されることが分かった。
2014年4月10日号の Nature ハイライト
神経科学:新しい全脳マッピング情報資源
がん:MTH1はRasに関連するがん治療標的である
構造生物学:細菌の集光性複合体の構造
宇宙:小惑星表面は熱サイクルによって形作られる
量子物理学:ゲートを通って量子ネットワークへ
地球:大陸成長の新しいモデル
遺伝:エピスタシスによるヒトゲノムの遺伝的差異
医学:鳥インフルエンザウイルスの進化史