Nature ハイライト
Cover Story:命に関わる接続のアトラス:マウス脳の3D配線図
Nature 508, 7495
表紙は、それぞれ異なる色で表されている21の皮質領域からの軸索投射パターンである。これは皮質全体についてサンプリングする目的で行われた21のマッピング実験から得られたもので、Brain Explorerプログラムにより三次元化されている。今回、H Zengたちは、哺乳類動物(実験用マウス)の脳全体にわたる中規模のコネクトームを初めて明らかにした。これは軸索投射の細胞種特異的追跡に基づくものである。完全な神経系の配線図は、小型の生物である線虫ではずっと以前から利用可能だったが、もっと大型の動物での神経接続に関するデータはまだ不完全だった。今回得られた、新しい三次元のアレン・マウス脳接続アトラス(Allen Mouse Brain Connectivity Atlas)は全脳での接続マトリックスであり、脳の各領域が連絡し合う仕組みについての手がかりを提供してくれるだろう。このプロジェクトで得られたデータの多くはヒトでの神経ネットワーク研究に関連してくると考えられる。
2014年4月10日号の Nature ハイライト
神経科学:新しい全脳マッピング情報資源
がん:MTH1はRasに関連するがん治療標的である
構造生物学:細菌の集光性複合体の構造
宇宙:小惑星表面は熱サイクルによって形作られる
量子物理学:ゲートを通って量子ネットワークへ
地球:大陸成長の新しいモデル
遺伝:エピスタシスによるヒトゲノムの遺伝的差異
医学:鳥インフルエンザウイルスの進化史