Nature ハイライト 医学:生殖ホルモンについての刺激的知見 2005年1月20日 Nature 433, 7023 これまでは、妊娠を促す、あるいは妨げる薬の開発は難しかった。それは、生殖経路で複数の特定の分子がどのように働くかについて情報がなかったためである。だが今回、今後の薬剤開発に役立つ鍵となりそうな報告が寄せられた。W HendricksonとQ Fanは、濾胞刺激ホルモン(FSH)が細胞表面の受容体に結合する仕組みを明らかにした。このきわめて重要な相互作用により、配偶子発生につながる経路が刺激される。彼らは、受容体のドメインの1つに結合したFSHの三次元構造を解明し、FSHの結合がなぜ特異性をもつかを説明している。この結合様式は、他の類似ホルモンにも当てはまると考えられる。三次元構造がわかったことにより、FSHの結合を真似た薬剤の開発が可能になる。「今回の研究で、男性では精子生産を、女性では卵母細胞の発生を阻害する避妊薬として利用できる、非ステロイド性FSH拮抗薬開発の道も開けるだろう」とJ DiasはNews and Viewsで述べている。 2005年1月20日号の Nature ハイライト 宇宙:土星からの塵の流れ 化石:エチオピアで9体の猿人化石が見つかった 世界物理年2005:世にも恐ろしい殺人事件 化石:恐竜と共存していたカモの仲間 生化学:癌治療の新標的、Pokemonタンパク質 医学:生殖ホルモンについての刺激的知見 : 目次へ戻る