Nature ハイライト

医学:生殖ホルモンについての刺激的知見

Nature 433, 7023

これまでは、妊娠を促す、あるいは妨げる薬の開発は難しかった。それは、生殖経路で複数の特定の分子がどのように働くかについて情報がなかったためである。だが今回、今後の薬剤開発に役立つ鍵となりそうな報告が寄せられた。 W HendricksonとQ Fanは、濾胞刺激ホルモン(FSH)が細胞表面の受容体に結合する仕組みを明らかにした。このきわめて重要な相互作用により、配偶子発生につながる経路が刺激される。彼らは、受容体のドメインの1つに結合したFSHの三次元構造を解明し、FSHの結合がなぜ特異性をもつかを説明している。この結合様式は、他の類似ホルモンにも当てはまると考えられる。 三次元構造がわかったことにより、FSHの結合を真似た薬剤の開発が可能になる。「今回の研究で、男性では精子生産を、女性では卵母細胞の発生を阻害する避妊薬として利用できる、非ステロイド性FSH拮抗薬開発の道も開けるだろう」とJ DiasはNews and Viewsで述べている。

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