Nature ハイライト

生態:ミジンコだって良き隣人が必要

Nature 433, 7024

遺伝的に異なる2つの個体群が、一方が優先種となって他方を排除することなく共存できる仕組みを説明するため、これまで生物学者たちは頭をひねってきた。今週号ではE McCauleyたちが、競争する種の生育段階の相対的なタイミングによってこの仕組みを説明できるのではないかと報告している。彼らは動物プランクトンのミジンコで、3つの競合する個体群とその餌になる藻類について調べた。各種のミジンコは、成体や幼若体など異なる生育段階の分集団からなっており、それぞれ必要とするものも違っている。 まず、ミジンコの個体群の変動を自然にまかせたところ、3つの遺伝子型の異なる個体群がすべて増えた。この場合、各生育段階の個体数増減カーブの頂点または谷間はめったに一致せず、この生態系では3つの遺伝子型すべてが共存していける。ところが、研究チームが人為的にミジンコの生育段階を揃えたところ、1つの個体群だけが優勢になってしまったのである。

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