Nature ハイライト 宇宙:暗黒物質のハローに満ちた銀河系 2005年1月27日 Nature 433, 7024 新しい計算結果によると、初期宇宙で形成した最初の構造は暗黒物質(ダークマター)のハローであり、これは現在では普遍的に存在していて、1万年に一度の割合で太陽系と相互作用しているという。暗黒物質は本来、我々には見えない宇宙の物質であり、宇宙の質量の約80%を占めている。暗黒物質の存在は、それが周囲に重力の影響を及ぼすことから推定される。J Diemandたちの計算結果は、暗黒物質の主な候補であるニュートラリーノという仮説的な素粒子にもとづいている。この素粒子は、WIMP(相互作用が弱く重い素粒子)である。彼らが行った初期宇宙のシミュレーションにより、ニュートラリーノが、木星と同じくらい重くて太陽系と同じくらい広大な環を形成していたことが分かった。それらの環は、我々の銀河系に多く存在し、地球は1万年に一度そこを通過しているはずだ。このハローに含まれる粒子同士が消滅するときには、検出可能なガンマ線も発生していると考えられる。 2005年1月27日号の Nature ハイライト 気候:分散コンピューティングで検証する温暖化予想 生体力学:ハエトリソウの葉がぱっと閉じる仕組み 地球:溶岩のジェットはガスの圧力で飛ぶ 宇宙:暗黒物質のハローに満ちた銀河系 物理:ネットワークもフラクタル 生態:ミジンコだって良き隣人が必要 : 目次へ戻る