地震による破壊開始につながる過程の解明が一歩進んだようだ。ある種の断層では、マグニチュード5.4以上の大きな地震を予知するのに小さい地震の発生が利用できるらしい。大地震の前には小さな前震が発生することがよくあるが、このような地震を予知のために用いることは、前震をバックグラウンドの地震活動(大地震の前触れではない微小地震の通常の活動)と区別できないために難しかった。J McGuireたちは、2つのテクトニック・プレートが分かれて新しい海洋底が作られる場所に形成された海嶺である、東太平洋海膨をいくつかの部分に分割しているトランスフォーム断層に沿って起きる地震活動を監視してきた。そして大きな地震の前には、他とはっきり異なる予知に使えるパターンを持つ前震が起きることを発見した。この結果が直接我々に関係する地震予知につながるわけではない。なぜなら、このような海洋のトランスフォーム断層は人口の集中した地域から遠く離れているからである。「それはともかく、この結果は前震活動が断層のゆっくりとした滑りにより起きていると思われる環境での短期予知の可能性を明白に示している」と、D BohnenstiehlがNews and Viewsで述べている。