カリブ海の島々にすむトカゲは嵐のときに島から島へ移動する。そのため他の島から遺伝子が入ってきて混ざり合う機会が生まれ、新しい種の進化が遅くなるらしい。R CalsbeekとT B Smithはカリブ海の5つの島にすむアノール属トカゲを何百匹か調べた。大嵐になると、トカゲは島から押し流されて強力な海流に乗り、別の島へと渡る。Calsbeekたちによると、この出来事がトカゲの遺伝的な構成に映し出されているのだという。島を利用した進化の研究は過去にいろいろなされており、海は遺伝子の流れを遮る天然の障壁になるというのが、これまでの大方の見方だった。この見方が必ずしも事実ではない可能性がある、というのが今回CalsbeekとSmithの結論である。