Nature ハイライト 細胞:中心体の秘密が明らかに 2003年12月4日 Nature 426, 6966 動物細胞では、中心体が微小管の形成中心となる。微小管は、細胞内輸送や細胞の形態変化に対処するために、また細胞分裂の際に紡錘体を形成するために、絶えず作り直されている。100年以上も研究が行われているが、中心体の構造や機能についてはいまだに解明されていないことが多い。生化学研究の妨げとなっているのは、得られる中心体タンパク質の量が少ないことや、中心体を均一になるほどまで精製できないことである。タンパク質相関プロファイリングとよばれるプロテオミクスに基づいた新手法によって、この状況が変わるかもしれない。この新手法は、分画によって濃縮できるどんな複合体にも応用が可能で、これを使って新たな中心体タンパク質23種が同定、確認され、また中心体のものである可能性が高いタンパク質が他に41種類同定された。RNA干渉などといった手法と組み合わせて使えば、タンパク質相関プロファイリングによって、これまで手に負えなかった中心体の詳しい機能解析ができるかもしれない。 2003年12月4日号の Nature ハイライト 進化:勝ち組となったゾウ 宇宙:スピンする連星 進化:余分な指をもつ三畳紀の爬虫類 進化:トカゲは波頭にのって島々へ渡る 細胞:カルシウムを感知するTRPチャネル 細胞:中心体の秘密が明らかに 政策:船籍についての懸念 目次へ戻る