Nature ハイライト 細胞:カルシウムを感知するTRPチャネル 2003年12月4日 Nature 426, 6966 TRP(transient receptor potential)イオンチャネルは当初、視覚の仲介体としてショウジョウバエで発見された。TRPファミリーのチャネルは、動物界を通して保存されており、哺乳類ではそれぞれ異なる型のTRPチャネルをコードする、少なくとも21種類の別個の遺伝子が存在する。これらのチャネルの機能はようやく解明が始まったところである。ヒトでは、TRPチャネルは甘み、苦み、うまみ(アミノ酸)の感知と、温暖、高温、寒冷の識別に使われている。TRPチャネルは、多細胞生物の個体全体での感覚伝達に関与するだけでなく、個々の細胞というレベルでも機能している。簡単にいえば、さまざまなTRPチャネルが、多種多様な刺激に細胞質のCa2+濃度を上昇することで反応しているのである。今週号の総説では、細胞センサーとしてのTRPチャネルの役割について広く論じている。 2003年12月4日号の Nature ハイライト 進化:勝ち組となったゾウ 宇宙:スピンする連星 進化:余分な指をもつ三畳紀の爬虫類 進化:トカゲは波頭にのって島々へ渡る 細胞:カルシウムを感知するTRPチャネル 細胞:中心体の秘密が明らかに 政策:船籍についての懸念 目次へ戻る