Nature ハイライト 気候:地球を冷やす汚れた雲 2004年1月15日 Nature 427, 6971 大気を汚染する微粒子の存在により、雲は少数の大きな水滴ではなく、多数の小さな水滴から作られるようになる。これは、間接的なエアロゾル効果として知られている。この効果によって雲の輝きが高まり、宇宙空間中への太陽放射の反射が高まって、結果として地球を冷やすことになると今週号で報告されている。間接的なエアロゾル効果の存在については、ずっと論争が続いている。しかし、この効果が気候に影響を及ぼすかどうか、及ぼすならどの程度かという問題は、気候変動に関して未だ不確定である。J Pennerたちは、汚染状態と清浄状態をそれぞれ代表する北米の2か所の観測点で調べた雲の特性とエアロゾルに関する観測結果について報告している。どちらの観測点においても、表面における放射観測値と、推定される間接的なエアロゾル効果のシミュレーション値には矛盾がなく、この効果が気候に対して実際に相当な影響を及ぼすことを示している。 2004年1月15日号の Nature ハイライト 人工知能:人間並みに働きそうな研究者ロボット 物理:「超固体」がベールを脱ぐ 進化:胚の化石で系統発生の謎解き 医学:切り貼りで作られるタンパク質 宇宙:中性子星のジェット族 気候:地球を冷やす汚れた雲 目次へ戻る