Nature ハイライト 宇宙:中性子星のジェット族 2004年1月15日 Nature 427, 6971 中性子星が、ほぼ光速度で物質のジェットを噴出しているのが見つかった。この発見は、事象の地平面など、ブラックホール特有の環境で超相対論的ジェットが形成されるという仮説に疑問を投げかけるものだ。コンパス座X-1はX線連星系で、太陽に似た星と中性子星からなる。中性子星の重力は、この伴星から物質を引きずり込んで降着円盤を形成している。R Fenderたちは、この中性子星から非常な高速で流れ出す物質のジェットを発見した。ジェットの速度は、活動銀河核で見つかっている最高速のジェットと同じくらいで、その強度は中性子星への物質の降着率によって決まる。相対論的ジェットは、宇宙で最も高エネルギーの現象の一つである。また、ガンマ線バーストの原因と考えられ、最高速のジェットはこれまで、活動銀河核の中心に存在する超巨大質量天体などの各種ブラックホールと関連していた。 2004年1月15日号の Nature ハイライト 人工知能:人間並みに働きそうな研究者ロボット 物理:「超固体」がベールを脱ぐ 進化:胚の化石で系統発生の謎解き 医学:切り貼りで作られるタンパク質 宇宙:中性子星のジェット族 気候:地球を冷やす汚れた雲 目次へ戻る