Nature ハイライト 材料:未来の電子機器は鉛なし 2004年11月4日 Nature 432, 7013 近い将来、携帯電話、時計、その他の電子デバイスに含まれる成分の毒性は、より低くなりそうだ。現在広く用いられている重量比で鉛を60%以上含む、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)圧電セラミックスに代わる、高性能で鉛を含まない材料が報告されている。齋藤康善たちは、優れた圧電特性をもつ、鉛を含まないアルカリニオブ酸塩をベースとするペロブスカイト構造の固溶体を開発し、多結晶の微細構造を配向組織制御する方法を用いてさらに改良した。この新しい材料の電場に誘起される最大のひずみ(例えば電話機のスピーカーが機能する程度の印加電圧のもとで結晶がどのくらい膨張・収縮するか)は、高性能PZTのひずみに匹敵する。この新材料は、環境に優しい圧電電子デバイスに使えると思われる。 2004年11月4日号の Nature ハイライト 医学:次はどこへ? 進化:化石魚類から内鼻孔の起源をかぎつける 宇宙:土星まで達した太陽の衝撃波 環境:気候変動と大規模森林火災の関係 発生:心臓の形成に必要な酵素Baf60c 材料:未来の電子機器は鉛なし 目次へ戻る