Nature ハイライト

医学:癌遺伝子に関する手がかり

Nature 432, 7018

染色体の安定性を保つ遺伝子が、癌に対する防御に重要な役割を果たしていることはすでに知られている。しかし、何がこれらの遺伝子を制御しているかを解明するのは難しい。今回、これらの遺伝子が癌抑制遺伝子p53と協調して働くことが示唆された。 A Balmainたちは、p53遺伝子を1コピー失ったマウスを作出し、このマウスに生じた腫瘍では、p53をまったくもたないマウスと比べて、染色体の安定性維持にかかわる酵素をコードしていることが知られているFbxw7が欠失(あるいは変異)している確率が高いことを発見した。また、Fbxw7に欠陥があるマウスは放射線照射による腫瘍が発生しやすかった。この新しい知見は、Fbxw7とp53の関係を明らかにするもので、また、ある種の癌についての理解を深めるのにも役立つと期待される。

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