Nature ハイライト 医学:癌遺伝子に関する手がかり 2004年12月9日 Nature 432, 7018 染色体の安定性を保つ遺伝子が、癌に対する防御に重要な役割を果たしていることはすでに知られている。しかし、何がこれらの遺伝子を制御しているかを解明するのは難しい。今回、これらの遺伝子が癌抑制遺伝子p53と協調して働くことが示唆された。A Balmainたちは、p53遺伝子を1コピー失ったマウスを作出し、このマウスに生じた腫瘍では、p53をまったくもたないマウスと比べて、染色体の安定性維持にかかわる酵素をコードしていることが知られているFbxw7が欠失(あるいは変異)している確率が高いことを発見した。また、Fbxw7に欠陥があるマウスは放射線照射による腫瘍が発生しやすかった。この新しい知見は、Fbxw7とp53の関係を明らかにするもので、また、ある種の癌についての理解を深めるのにも役立つと期待される。 2004年12月9日号の Nature ハイライト 遺伝:ニワトリゲノムの解読 認知:歌の切れ端から曲を縫い上げる鳥 生態:小さな生物の大きな空間パターン 宇宙:かつては暖かかったクワホワー 量子物理:冷たい半導体の熱い進展 医学:癌遺伝子に関する手がかり 目次へ戻る