Nature ハイライト
Cover Story:ヒトの起源:モロッコの化石によってホモ・サピエンスの出現時期が早まった
Nature 546, 7657
ホモ・サピエンス(Homo sapiens)が出現した正確な場所と時期は、化石記録が乏しく、多くの重要な標本の年代が確定されていないために、まだ明らかになっていない。今回、J Hublinたちがモロッコのジェベル・イルードに由来する新たなヒト化石を報告しており、また別の論文では、S McPherronたちがこれらの化石の年代を決定している。これら2報によって、この遺跡で発見された遺骸が約35万~30万年前にさかのぼることが示された。これらの標本の顔、下顎、歯の形態を含む多くの特徴は、初期または最近の現生人類のものと一致していたが、神経頭蓋と頭蓋内の形態的特徴はより原始的であることが明らかになった。総合すると、ジェベル・イルードのヒト族化石は、ホモ・サピエンスの最初期の進化段階ものであると、著者たちは考えている。
2017年6月8日号の Nature ハイライト
神経変性疾患:相転移が伸長したRNAを毒性化する
構造生物学:クラスB完全長GPCRの構造
物性物理学:平面世界の磁性
光物理学:光通信の大規模化
進化学:まれな移動個体が分岐選択を制限する
神経科学:一夫一妻制ハタネズミの社会的絆形成
がん:BCRシグナル伝達によってリンパ腫は競合で有利になる
遺伝学:タンパク質の状態をマッピングする