Nature ハイライト
ナノスケール材料:磁性体による熱電性能の向上
Nature 549, 7671
熱電材料を用いた熱エネルギーから電気エネルギーへの変換効率を高めるために、一般的には、ナノ構造化、特にナノスケールで化学的特性や物理的特性を変化させて材料全体の熱伝導率を変えることに重点が置かれている。電気伝導率も重要なパラメーターであり、今回W Zhaoたちは、熱輸送と電気輸送の同時制御を可能にし、材料の総合的な熱電性能が正味で増大するナノ構造化戦略について報告している。彼らは、熱電マトリクスに軟磁性材料のナノ粒子を埋め込んだ。ナノ粒子それ自体がマトリクス中の熱振動(フォノン)の従来の散乱部位となる一方で、ナノ粒子の磁化状態の超常磁性ゆらぎはマトリクスの電子と相互作用し、フォノンと電子の輸送特性を個々に変化させる。
2017年9月14日号の Nature ハイライト
遺伝学:4Dヌクレオームプロジェクト
がん:脳腫瘍細胞の階層性
構造生物学:リポ多糖の輸送は「トラップ・アンド・フリップ」機構によっている
ナノスケール材料:磁性体による熱電性能の向上
気候科学:氷河の運命に立ちはだかる気候目標
進化学:ポリプテルス類の起源を紐解く
微生物学:栄養素欠乏状態での硝化
幹細胞:m6Aによる幹細胞の運命指定
構造生物学:ポリコーム様タンパク質の結合パワー