Nature ハイライト
微生物学:栄養素欠乏状態での硝化
Nature 549, 7671
ニトロスピラ属細菌Nitrospira inopinataは、初めて見つかった、完全なアンモニアの酸化を触媒する細菌(comammox)である。H Daimsたちは今回、この菌の純粋培養について報告しており、これによってその生理特性の詳細が明らかになった。N. inopinataはアンモニアに対する親和性が高く、アンモニア酸化の最大速度は低く、古典的硝化菌に比べると増殖収率が高く、ゲノムに代替的代謝経路が複数備わっている。著者たちは、N. inopinataの硝化の速度論を、4種類のアンモニア酸化アーキアのそれと比較した。その結果、N. inopinataが硝化、特に貧栄養環境における硝化に重要な役割を果たしている可能性が高いことが分かった。
2017年9月14日号の Nature ハイライト
遺伝学:4Dヌクレオームプロジェクト
がん:脳腫瘍細胞の階層性
構造生物学:リポ多糖の輸送は「トラップ・アンド・フリップ」機構によっている
ナノスケール材料:磁性体による熱電性能の向上
気候科学:氷河の運命に立ちはだかる気候目標
進化学:ポリプテルス類の起源を紐解く
微生物学:栄養素欠乏状態での硝化
幹細胞:m6Aによる幹細胞の運命指定
構造生物学:ポリコーム様タンパク質の結合パワー