Nature ハイライト
有機化学:E型アルケンとZ型アルケンの簡便合成
Nature 552, 7685
アルケンメタセシスは、有機化学やポリマー製造ではありふれた変換反応である。ここ数年で、特定種の基質で高い立体選択性が実現され、重要な進歩が見られた。しかし、三置換アルケンのE型異性体とZ型異性体のいずれかを立体選択的に合成する一般的な方法はまだ得られていない。今回、A HoveydaとR Schrockたちは、クロスカップリングとクロスメタセシスを併用することによって、三置換アルケンをE型とZ型のいずれについても高い立体選択性で合成したことを報告している。合成容易な基質を用いて、より複雑で合成困難なE型やZ型の三置換アルケンが合成された。合成例の多くでは、合成中間体として有用なハロゲン化アルケニルが生成するため、得られた生成物を用いてさらに別の反応を進めることができる。著者たちは、今回の合成戦略をうまく利用して、抗真菌性化合物や抗炎症性化合物を合成している。
2017年12月21日号の Nature ハイライト
有機化学:E型アルケンとZ型アルケンの簡便合成
神経変性疾患:ASCスペックはアミロイドβに結合する
免疫学:病原体の記憶
天文学:よじれた消火ホースから噴き出しているようなブレーザーの光子
天文学:太陽系外から訪ずれた小惑星
素粒子物理学:宇宙線粒子によってピラミッド内に新たな部屋が見つかった
惑星科学:地球と火星の表面の水がたどった異なる運命
古生物学:水鳥型恐竜の出現
微生物生態学:微生物は微量ガスからエネルギーを得ている
構造生物学:塩素イオンチャネルTMEM16Aの構造を解明