Nature ハイライト
免疫学:病原体の記憶
Nature 552, 7685
記憶細胞は、再感染や、ワクチン接種後の感染を防ぐが、記憶細胞がナイーブT細胞とエフェクターT細胞のどちらに由来するのかは分かっていない。R Ahmedたちは今回、黄熱ワクチン接種と重水素標識の後に、ヒト体内で長期生存する記憶CD8 T細胞の生成、維持、特徴について調べた。その結果、長期生存する記憶CD8 T細胞が、感染のエフェクター段階で盛んに分裂する細胞に由来することが示された。静止状態の記憶細胞はナイーブT細胞の表現型に戻るようだが、エフェクターT細胞に類似した活性型の遺伝子調節パターンを維持していた。また、R Ahmedたちは別の論文で、エフェクターCD8 T細胞と記憶CD8 T細胞が分化する際のDNAメチル化の変化を調べ、長期生存する記憶細胞がエフェクターT細胞から生じるとするモデルを裏付けている。
2017年12月21日号の Nature ハイライト
有機化学:E型アルケンとZ型アルケンの簡便合成
神経変性疾患:ASCスペックはアミロイドβに結合する
免疫学:病原体の記憶
天文学:よじれた消火ホースから噴き出しているようなブレーザーの光子
天文学:太陽系外から訪ずれた小惑星
素粒子物理学:宇宙線粒子によってピラミッド内に新たな部屋が見つかった
惑星科学:地球と火星の表面の水がたどった異なる運命
古生物学:水鳥型恐竜の出現
微生物生態学:微生物は微量ガスからエネルギーを得ている
構造生物学:塩素イオンチャネルTMEM16Aの構造を解明