Nature ハイライト
Cover Story:流れによる成長:脊椎動物の胚は組織がガラスのように「融解」して形成される
Nature 561, 7723
表紙は、脊椎動物の胚の後方への体軸伸張を表したレンダリング画像で、組織の形態形成とガラス成形の間の類似性を浮き彫りにしている。今回O Campàsたちは、組織の機械的特性のin vivo測定、細胞動態の解析、理論モデルを組み合わせて、ゼブラフィッシュ胚の組織形態形成の背後にある物理的機構を明らかにしている。体の後端では細胞スケールの応力の変動が大きく(鮮やかなオレンジ色の部分)、これによって組織は「融解」して液体に似た状態になり、変形できるようになる。体の伸張が進むと、細胞スケールの応力変動は小さくなり(青色の領域)、組織が「凍結」して固体に似た状態になり、組織構造が確立する。この液体から固体への転移は、泡に似た組織構造における細胞ジャミングに起因する。
2018年9月20日号の Nature ハイライト
がん:脳を標的とするT細胞
構造生物学:チャネルロドプシンにおける光駆動型の陰イオン透過
天文学:GW170817の超光速運動
高エネルギー物理学:陽子の立てる航跡波で加速する
計測学:タイミングが全て
気候科学:後期更新世における氷床の後退
神経科学:運動で生じる音を抑える仕組み
再生:脊髄を治療する
細胞生物学:有糸分裂の四次元マッピング
生物工学:検出可能なオフターゲット変異を生じないCRISPR編集