Nature ハイライト
細胞生物学:有糸分裂の四次元マッピング
Nature 561, 7723
細胞の有糸分裂には、何百ものタンパク質の協調的な作用が関わっている。有糸分裂のさまざまな段階で、これらのタンパク質の局在と、相互作用のタイミングを同時に調べるのは容易ではない。これは、生細胞の画像化やコンピューターによる研究では、有糸分裂過程でのタンパク質ネットワークの定量的マップは得られないからである。今回J Ellenbergたちは、そうした試みを行った。原理証明として、彼らは28個の有糸分裂タンパク質のデータセットを解析し、細胞内構造の同定や、それらのタンパク質が各細胞内構造に局在するタイミングや程度の定量、複数のタンパク質が関わる動的過程の予測を、自動的に行えることを明らかにした。この方法は、有糸分裂過程を通して動的なタンパク質局在ネットワークを系統的にマッピングするのに使えるだけでなく、他の複雑な細胞機能にも応用できる可能性がある。
2018年9月20日号の Nature ハイライト
がん:脳を標的とするT細胞
構造生物学:チャネルロドプシンにおける光駆動型の陰イオン透過
天文学:GW170817の超光速運動
高エネルギー物理学:陽子の立てる航跡波で加速する
計測学:タイミングが全て
気候科学:後期更新世における氷床の後退
神経科学:運動で生じる音を抑える仕組み
再生:脊髄を治療する
細胞生物学:有糸分裂の四次元マッピング
生物工学:検出可能なオフターゲット変異を生じないCRISPR編集