Nature ハイライト
光物理学:極端紫外放射の屈折
Nature 564, 7734
屈折光学素子は、紫外、可視、赤外領域の周波数の電磁放射の操作に広く用いられている。極端紫外放射と軟X線は物質中で強く吸収されるため、これまでこのスペクトル領域では屈折レンズや屈折プリズムの開発が阻まれ、取り組みの大半が反射素子や回折素子の実現に移っている。今回B Schütteたちは、不均一なヘリウムガスジェットの形態の気相プリズムによって、極端紫外光パルスが周波数に依存して偏向することを実証している。得られた極端紫外屈折レンズは、弱い吸収を示し、ガスの圧力を変えることによって焦点距離を調節できる。今回の結果によって、極端紫外光の科学に新たな道が開かれ、屈折素子開発が従来困難であった周波数領域に、屈折に基づく重要技術を適用できるようになる。
2018年12月6日号の Nature ハイライト
地球化学:トリプトファンの非生物的形成
遺伝学:ナメクジウオの機能ゲノミクス
構造生物学:細菌トランスロコンの新規な構造
素粒子物理学:暗黒物質のシグナルはまだ見つからず
光物理学:極端紫外放射の屈折
物性物理学:スピンテクスチャーを変換する
環境科学:アンモニア排出のホットスポットのマップ
気候科学:過去350年で例外的なグリーンランドにおける融解速度
細胞シグナル伝達:マトリックスが決める運命
細胞生物学:葉緑体の内外包膜を結ぶ架け橋