Nature ハイライト
古生物学:最後のホモ・エレクトス
Nature 577, 7790
インドネシア・ジャワ島東部のソロ川沿岸にあるガンドン遺跡で発見されたホモ・エレクトス(Homo erectus)の化石群の年代については、55万〜2万7000年前と大きな幅があり、議論が続いている。年代にここまで大きなばらつきがある原因は、複雑な層序に関する理解が進んできたのと相まって、発掘時期の古い化石を正確な出土地点と結び付けるのが難しくなっていることにある。今回R Ciochonたちは、ガンドン遺跡について大規模な地質学的・古生物学的再評価を行い、この骨化石包含層が、川に流された遺骸が下流で堆積して形成されたことを明らかにしている。さまざまな年代測定を行った結果、この遺跡のヒト族化石の年代は11万7000~10万8000年前とされ、ホモ・エレクトスの存在を示す世界で最後の証拠であることが確認された。
2020年1月16日号の Nature ハイライト
ナノテクノロジー:シリコン中のドーパントを用いる機械学習
材料科学:透明な圧電体
材料科学:共晶の格子細工
マラリア:マラリア媒介蚊における殺虫剤抵抗性機構
古生物学:最後のホモ・エレクトス
アルツハイマー病:アルツハイマー病におけるT細胞
幹細胞:幹細胞は免疫応答を誘導して心機能を改善する
免疫学:腸管免疫における胆汁酸の役割
免疫学:体液性免疫の性特異的な調節
がん:変異型KRAS特異的阻害剤への抵抗性を解明する
構造生物学:糖尿病治療標的に結合した小分子