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古生物学:最後のホモ・エレクトス

Nature 577, 7790

ガンドン遺跡の骨化石包含層。
ガンドン遺跡の骨化石包含層。 | 拡大する

Credit: Copyright Russell L. Ciochon Univ. of Iowa

インドネシア・ジャワ島東部のソロ川沿岸にあるガンドン遺跡で発見されたホモ・エレクトス(Homo erectus)の化石群の年代については、55万〜2万7000年前と大きな幅があり、議論が続いている。年代にここまで大きなばらつきがある原因は、複雑な層序に関する理解が進んできたのと相まって、発掘時期の古い化石を正確な出土地点と結び付けるのが難しくなっていることにある。今回R Ciochonたちは、ガンドン遺跡について大規模な地質学的・古生物学的再評価を行い、この骨化石包含層が、川に流された遺骸が下流で堆積して形成されたことを明らかにしている。さまざまな年代測定を行った結果、この遺跡のヒト族化石の年代は11万7000~10万8000年前とされ、ホモ・エレクトスの存在を示す世界で最後の証拠であることが確認された。

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