Nature ハイライト
幹細胞:新世代のヒト膵島様オルガノイド
Nature 586, 7830
ヒト胚性幹細胞と誘導多能性幹細胞は、移植するとインスリン依存性糖尿病の症状を長期的に緩和する可能性のある膵臓β細胞や膵島オルガノイドの有望な供給源と考えられている。しかし、機能を備えたβ細胞の作製はいまだに難しい。R Evansたちは今回、3Dヒト膵島様オルガノイド(HILO)を作製したことを報告している。HILOは、移植可能な細胞の供給源の増殖可能な代替品となるもので、長期的な血糖コントロールを回復でき、慢性的な免疫抑制を必要としない。HILO作出のためのプロトコルに見られる主要な進歩としては、非カノニカルWntを介する成熟段階とPD-L1発現を誘導するためのIFNγ曝露などがあり、これによってグルコース恒常性を回復する能力を損なうことなく移植片の免疫拒絶が防がれている。
2020年10月22日号の Nature ハイライト
量子物理学:チップ上の捕捉イオンを用いた量子コンピューティングへの道
材料科学:つぶれない甲虫
地球科学:アセノスフェアにおける部分溶融の可視化
免疫学:COVID-19に対するタンパク質ベースのワクチン候補
免疫学:アデノウイルスベクターワクチンChAdOx1 nCoV-19の前臨床評価
免疫学:非ヒト霊長類におけるAd26ベースのSARS-CoV-2ワクチンの予防効果
免疫学:COVID-19 RNAワクチン候補の安全性と免疫原性
免疫学:COVID-19ワクチンBNT162b1の第I/II相試験における交代応答とT細胞応答
腫瘍生物学:メラノサイトの体細胞変異
幹細胞:新世代のヒト膵島様オルガノイド
分子生物学:ホリデイ構造を交叉型組換えへと偏らせる