Nature ハイライト
生態学:西アフリカのサハラ地域とサヘル地域には多数の木がある
Nature 587, 7832
乾燥地では、高木や低木の大半が、林冠が閉じていない孤立した植物として成長する。こうした非森林樹木は、生物多様性に重要であり、炭素貯蔵の他、ヒトと動物のための食物資源や住居・隠れ家など、数々の生態系サービスを提供している。しかし、こうした地域の非森林樹木の密度を定量化する試みはほとんど行われておらず、そのためサハラ地域やサヘル地域などの乾燥地には高木や低木がほとんどないという見方が広まっている。今回M Brandtたちは、サブメートル分解能の人工衛星画像と畳み込みニューラルネットワークを用いて、西アフリカのサハラ地域、サヘル地域、亜湿潤地帯にわたる総面積130万km2の陸域において、個々の樹木(樹冠サイズが3 m2を超える木本)をマッピングしている。その結果、18億本以上の樹木(1 ha当たり13.4本に相当)が見いだされた。林冠の被覆率は、極乾燥地域では0.1%、乾燥地域では1.6%、半乾燥地域では5.6%、亜湿潤地域では13.3%と、降雨勾配に沿って増大していた。今回のアセスメントは、森林外の樹木を全球的に監視し、劣化、気候変動、貧困の緩和における樹木の役割を調べる方法を提案している。
2020年11月5日号の Nature ハイライト
天文学:銀河系内の高速電波バースト
天文学:銀河系内のマグネターからの高速電波バースト
天文学:マグネター起源のγ線バーストと同時には検出されなかったパルス状電波放射
原子核物理学:中性子が原子核からこぼれ落ちる理由
生態学:西アフリカのサハラ地域とサヘル地域には多数の木がある
植物科学:寄生植物の認識
内分泌学:明らかにされた脂肪細胞の不均一性
微生物学:植物の根の発達を支配する細菌
がん:CD4+ T細胞におけるTGF-βシグナル伝達の阻害はIL-4依存的様式で腫瘍増殖を制限する
細胞生物学:細胞死と健康のバランス