Nature ハイライト

Cover Story:太陽深部からの放射線を捉える:ニュートリノ検出器によって得られた太陽の第二の核融合サイクルの証拠

Nature 587, 7835

太陽(右)のCNOサイクルで放出されたニュートリノをBorexino検出器(左)で捉えたことを表現したイメージ画像。
太陽(右)のCNOサイクルで放出されたニュートリノをBorexino検出器(左)で捉えたことを表現したイメージ画像。 | 拡大する

Credit: Maxim Gromov and Borexino Collaboration

太陽は、水素が核融合してヘリウムを形成する陽子–陽子連鎖反応と呼ばれる過程によって、そのエネルギーの大半を生成している。しかしエネルギーの一部は、炭素(C)と窒素(N)と酸素(O)が触媒する、CNOサイクルと呼ばれる第二の核融合によって生じると考えられてきた。今回Borexinoコラボレーションは、太陽でCNOサイクルが生じていることを示す直接的な実験証拠を初めて得たことを報告している。著者たちは、イタリアのラクイラ近郊にある国立核物理学研究所のグランサッソ国立研究所で、Borexino検出器(表紙写真)を用い、CNOサイクルの結果として放出されたニュートリノを検出した。今回の結果から、太陽のエネルギーの約1%にCNOサイクルが寄与していることが確認され、太陽の核の元素組成を調べる新たな方法が得られた。

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