Nature ハイライト
神経科学:脊髄再生におけるミクログリアの役割
Nature 587, 7835
脊髄の損傷がグリア性瘢痕の形成につながり、軸索の再生が妨げられることは、以前から知られている。しかし、新生仔マウスでは挫滅損傷後の脊髄でも治癒が起こる。今回Z Heたちは、新生仔マウスのミクログリアが脊髄損傷後の再生を導くことを見いだしている。単一細胞RNA塩基配列解読によって、新生仔のミクログリアでは活性化されているが、成体のミクログリアでは活性化されていない分子的特徴が見つかった。成体のミクログリアが同等レベルの再生を導けない理由は、これで説明できる可能性がある。一方、新生仔のミクログリア、あるいはペプチダーゼ阻害物質で処理して新生仔のミクログリアに性質を近づけた成体のミクログリアを脊髄損傷した成体マウスに移植したところ、神経再生は復活した。
2020年11月26日号の Nature ハイライト
生物工学:ナノダイヤモンドを用いた量子診断プラットフォーム
ナノスケール材料:「暗い」励起子の明るい側面
気候科学:南極氷床の変動を増幅させる北半球の海水準変化
生態学:人工光と騒音は米国の鳥類の繁殖成功に複雑な影響を与える
遺伝学:ネアンデルタール人から受け継いだCOVID-19の遺伝的リスクバリアント
神経科学:脊髄再生におけるミクログリアの役割
遺伝学:単一細胞分解能でのヒト肺の生物学的性質
生化学:1つの遺伝子、複数の受容体
コロナウイルス:SARS-CoV-2の2つ目のプロテアーゼに関する知見
免疫学:cGAS–ヌクレオソーム複合体の高分解能クライオ電子顕微鏡構造