Nature ハイライト
精密測定:光ピンセット原子時計を目指して
Nature 588, 7838
中性原子の集団は、同一の原子からなり、周囲との相互作用が弱いことから、量子応用に有望である。光ピンセットアレイによって、こうした中性原子を制御・操作する手段が得られ、相互作用しない中性原子のエントロピーの低い集団が生成される。そうした集団は、高度に分離されていて多くの原子を一度に調べることができるため、高精度の原子時計としての使用など、複数の関連用途が予想されている。今回A Youngたちは、光ピンセットアレイに150個の中性原子の集団を生成し、約40秒という光時計の励起状態寿命を実現することで、この系における優れた分離の実証を報告している。こうした長いコヒーレンスによって、現行の最先端の原子時計系のものに匹敵する相対的な分数周波数安定度(原子時計の精度の主要な性能指数)が得られ、次世代原子時計向けにこのプラットフォームを開発できる見込みがもたらされた。
2020年12月17日号の Nature ハイライト
精密測定:光ピンセット原子時計を目指して
精密測定:エンタングルメントによる時間測定の改善
高分子化学:分子のパッチワークを織り上げる
水文学:ヨーロッパの川を寸断する100万を超える障壁の広大なネットワーク
生態学:人工物の質量が生物量を上回る
遺伝学:ヒト心臓の単一細胞アトラス
免疫学:改変型モノクローナル抗体によるFcRを介した防御性CD8+ T細胞応答の増強
コロナウイルス:SARS-CoV-2スパイクタンパク質のin situ構造
生化学:多サブユニットタンパク質複合体が進化の長い時間にわたって維持される訳
構造生物学:不活性なミオシンモーター