Nature ハイライト
免疫学:改変型モノクローナル抗体によるFcRを介した防御性CD8+ T細胞応答の増強
Nature 588, 7838
J Ravetchたちは今回、CD4+ T細胞の活性化を亢進させるだけでなくCD8+ T細胞の応答の向上も促進する、樹状細胞上の活性化型FcγRIIaへの結合が増強したFcドメインバリアント抗体を明らかにしている。彼らは、FcRをヒト化したマウスを用いた致死感染モデルにおいて、改変によってFcを最適化した抗インフルエンザモノクローナル抗体が、この機構を介して防御活性と治療活性の増強を誘導することを示した。このFcの修飾は、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)など他の呼吸器ウイルスに対する抗体を介した防御も増強すると予測され、臨床試験中の抗SARS-CoV-2中和抗体に取り入れられている。
2020年12月17日号の Nature ハイライト
精密測定:光ピンセット原子時計を目指して
精密測定:エンタングルメントによる時間測定の改善
高分子化学:分子のパッチワークを織り上げる
水文学:ヨーロッパの川を寸断する100万を超える障壁の広大なネットワーク
生態学:人工物の質量が生物量を上回る
遺伝学:ヒト心臓の単一細胞アトラス
免疫学:改変型モノクローナル抗体によるFcRを介した防御性CD8+ T細胞応答の増強
コロナウイルス:SARS-CoV-2スパイクタンパク質のin situ構造
生化学:多サブユニットタンパク質複合体が進化の長い時間にわたって維持される訳
構造生物学:不活性なミオシンモーター