Nature ハイライト

物性物理学:絶縁体中を移動する準粒子

Nature 589, 7841

絶縁体は、電子が利用できる状態の占有を決めるフェルミ準位に電子が存在しないことを特徴とする。しかし金属では、フェルミ準位の状態が占有されているため、この状態を、可動電子と磁場の相互作用に基づく量子振動測定によって調べることができる。今回S Wuたちは、二次元絶縁体WTe2において量子振動を観測したことを報告している。彼らは、フェルミ準位における高移動度電荷中性フェルミ粒子の形成を示唆することによって、この観測結果を説明している。これは、WTe2中の電子が分数化して、スピンを運ぶ可動準粒子や局在荷電準粒子になることを意味している。これらの準粒子の性質を理解するには、さらなる実験が必要である。

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