Nature ハイライト
生化学:光によって起こる一瞬の動きを捉える
Nature 589, 7841
光をエネルギーに変換する初期の電子伝達反応は非常に速い時間スケールで起こる。そのため、この反応を構造変化として捕捉するのはこれまで困難であった。R Neutzeたちは今回、時間分解連続フェムト秒結晶学の手法を使い、細菌の酸素発生複合体を欠く反応中心でこのような初期の超高速(ピコ秒)の構造変化を捕捉したことを報告している。構造の変化は、反応中心の核心部にあるクロロフィル分子という環境内で開始され、電子伝達鎖に沿って外向きに広がり、その結果としてメナキノン分子への電子伝達が引き起こされる。
2021年1月14日号の Nature ハイライト
天文学:NGC 253内にあるフレアを生じるマグネター
物性物理学:絶縁体中を移動する準粒子
気候科学:更新世の氷期の海洋循環を大きく変えた南極由来の氷山の融解
遺伝学:自閉症患者におけるde novo縦列反復配列変異
発生生物学:培養皿で卵母細胞を作るための遺伝子キット
コロナウイルス:SARS-CoV-2の薬剤スクリーニングのためのオルガノイド
コロナウイルス:SARS-CoV-2監視のために最適化された集団検査
医学研究:ヒトの慢性腎臓病の分子的全体像
分子生物学:クロマチン構造中のヒストンH1
分子生物学:ヒストンH1の異常とがん
生化学:光によって起こる一瞬の動きを捉える