Nature ハイライト
実験物理学:定常状態マイクロバンチングに向けて
Nature 590, 7847
リング型シンクロトロン放射光施設は、科学技術全般に用いられる優れた光子源である。一方、自由電子レーザーの基礎となる線形加速器によって生成された光子は、さらに高い輝度(およびコヒーレンス)に到達できるが、繰り返し周波数が相対的に低いことが難点である。では、これら2つの過程の利点を組み合わせることは可能だろうか。今回C Tangたちは、自由電子レーザーに用いられる通常はシングルショット過程の電子マイクロバンチングを、電子蓄積リングにおいて連続的に行えるようにすることで、定常状態の電子マイクロバンチングを実現する試みに着手している。現時点ではまだ実現には達していないものの、今回の結果は、定常状態マイクロバンチングの機構的基礎を固めるのに役立つものであり、完全な実装を実現するための明確な方向性を示している。そうした挑戦は、広い周波数範囲において高出力で繰り返し周波数の高い、狭線幅の光子源を実現すると見込まれるので、取り組む価値があるのは明らかである。
2021年2月25日号の Nature ハイライト
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実験物理学:定常状態マイクロバンチングに向けて
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