Nature ハイライト

材料科学:意外な相乗効果

Nature 590, 7847

今回、凍結鋳造過程と塩析過程の著しい相乗効果が確認され、これによって非常に優れた機械的特性を持つヒドロゲル構造が得られることが明らかになった。X Heたちはまず、ポリビニルアルコール(PVA)溶液を一方向に凍結させることで、氷結晶間でのPVA鎖の圧密化と凍結温度勾配に沿った部分的配向を実現した。次に、塩析過程を開始し、水とPVAの間の水素結合をPVA分子間の直接水素結合に置き換えた。凍結鋳造の閉じ込め効果によってこの塩析過程の効率が大幅に高まり、配向したマイクロフィブリルネットワーク内に密な束になったナノフィブリルが生じた。PVAの低配向部分では、フィブリル同士がつながった連続膜が形成された。今回の手法は、さまざまなヒドロゲル化学に広く応用できる。

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