Nature ハイライト
幹細胞:機械力が幹細胞ニッチを維持する
Nature 591, 7850
造血幹細胞や造血系の前駆細胞は主に骨髄に見られ、骨髄の個別の細胞ニッチ内に存在している。これらのニッチのアイデンティティーやニッチが維持される仕組みは、まだ完全には分かっていない。S Morrisonたちは今回、リンパ球系共通前駆細胞(CLP)のニッチとして機能していて、最終的には細菌感染に対する免疫応答を支える、骨髄の細動脈周囲間質細胞のサブセットを明らかにしている。特筆すべきことに、このニッチは、機械的刺激に応答することが分かった。例えばマウスでは、自発走運動によって、ニッチの維持に続いてCLPの維持が促進される。この研究は、幹細胞ニッチが機械的に調節され得ることを示す証拠を提示するとともに、骨髄内の造血ニッチについての我々の理解を深めるものである。
2021年3月18日号の Nature ハイライト
材料科学:ファンデルワールスヘテロ構造を巻物状に巻く
環境科学:米国本土の河川の3分の2が地下の帯水層に水を失っている可能性
地球物理学:海洋トランスフォーム断層の三次元的性質
動物学:ヤツメウナギ類のアンモシーテスは比較的最近出現した
集団遺伝学:古代DNAでたどる東アジア人の集団史
神経科学:皮質と線条体の関係の部位対応性
幹細胞:機械力が幹細胞ニッチを維持する
進化微生物学:硝酸の消費を伴う呼吸
コロナウイルス:ヒト化マウスにおけるSARS-CoV-2の複製と抑制
細胞生物学:ミトコンドリアDNA切断の細胞による感知
生物工学:バイオセンサーの新しい定番