Nature ハイライト
生物工学:バイオセンサーの新しい定番
Nature 591, 7850
生体分子のセンサーには、診断から治療まで、幅広い使い道がある。今回D Bakerたちは、コンピューターを使った設計によって、ケージ分子と鍵分子で構成される二成分バイオセンサー用のプラットフォームを開発している。ケージは開閉が可能で、開いている時に鍵と結合する。結合によって、検出された標的の結合が促進され、開状態がさらに安定化される。標的の存在量は発光タンパク質によって定量される。この手法はセンサーの設計を大幅に単純化するだけでなく、改変が簡単でどのような標的タンパク質にも合わせられる。今回の研究では、著者たちは開発したプラットフォームを用いて7種類のタンパク質を検出しており、その中には重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)のRBDタンパク質も含まれている。
2021年3月18日号の Nature ハイライト
材料科学:ファンデルワールスヘテロ構造を巻物状に巻く
環境科学:米国本土の河川の3分の2が地下の帯水層に水を失っている可能性
地球物理学:海洋トランスフォーム断層の三次元的性質
動物学:ヤツメウナギ類のアンモシーテスは比較的最近出現した
集団遺伝学:古代DNAでたどる東アジア人の集団史
神経科学:皮質と線条体の関係の部位対応性
幹細胞:機械力が幹細胞ニッチを維持する
進化微生物学:硝酸の消費を伴う呼吸
コロナウイルス:ヒト化マウスにおけるSARS-CoV-2の複製と抑制
細胞生物学:ミトコンドリアDNA切断の細胞による感知
生物工学:バイオセンサーの新しい定番