Nature ハイライト
素粒子物理学:生き残りの機会を得た標準模型
Nature 593, 7857
ミューオンの異常磁気能率には、真空ゆらぎに起因する磁気能率の値の補正が含まれている。最近の実験では、素粒子物理学の標準模型で予測されている期待値との不一致が示されている。これが確認されれば、新しい種類の物理が作用していることを示す初めての直接的な兆候になると思われる。今回Z Fodorたちは、量子色力学と量子電磁力学の第一原理計算に依拠して、ミューオンの異常磁気能率の最も精密な理論計算を報告している。得られた予測値は、実験値により近づいており、標準模型との対立が緩和された。
2021年5月6日号の Nature ハイライト
天体物理学:銀河団Abell 3376の磁場で屈曲したジェット
素粒子物理学:生き残りの機会を得た標準模型
物性物理学:黒ヒ素におけるラシュバ効果と量子ホール効果
気候科学:将来の海水準上昇予測に見られる大きな幅
生態学:アフリカ中部の森林の植物相的および機能的な組成
発生生物学:生体外でのマウスの発生
コロナウイルス:SARS-CoV-2の現在拡散中で懸念されている変異株に対する中和活性
コロナウイルス:BNT162b2ワクチンによって誘発されたSARS-CoV-2中和抗体に対するB.1.1.7変異株の感受性
コロナウイルス:回復期血漿を用いたSARS-CoV-2変異株の交差中和