Nature ハイライト

物性物理学:黒ヒ素におけるラシュバ効果と量子ホール効果

Nature 593, 7857

2004年に最初の二次元材料であるグラフェンが発見されて以来、他にも多くの二次元ファンデルワールス材料が剥離や成長によって作製されてきた。黒リンはその1つで、バンドギャップを調整できるため、オプトエレクトロニクスデバイス向けに有望な物質となっている。今回Y Zhengたちは、等構造の数層黒ヒ素が、ゲート調整可能なラシュバ効果や特異な量子ホール効果を示すことを明らかにしている。これらの効果は、大きなスピン–軌道結合とシュタルク効果の併存に起因して現れる。今回の結果は、オプトエレクトロニクスデバイスにおける黒ヒ素の使用やこの材料系における量子ホール物理のより詳細な理解に向けた今後の研究の動機付けとなる。

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