Nature ハイライト
物性物理学:黒ヒ素におけるラシュバ効果と量子ホール効果
Nature 593, 7857
2004年に最初の二次元材料であるグラフェンが発見されて以来、他にも多くの二次元ファンデルワールス材料が剥離や成長によって作製されてきた。黒リンはその1つで、バンドギャップを調整できるため、オプトエレクトロニクスデバイス向けに有望な物質となっている。今回Y Zhengたちは、等構造の数層黒ヒ素が、ゲート調整可能なラシュバ効果や特異な量子ホール効果を示すことを明らかにしている。これらの効果は、大きなスピン–軌道結合とシュタルク効果の併存に起因して現れる。今回の結果は、オプトエレクトロニクスデバイスにおける黒ヒ素の使用やこの材料系における量子ホール物理のより詳細な理解に向けた今後の研究の動機付けとなる。
2021年5月6日号の Nature ハイライト
天体物理学:銀河団Abell 3376の磁場で屈曲したジェット
素粒子物理学:生き残りの機会を得た標準模型
物性物理学:黒ヒ素におけるラシュバ効果と量子ホール効果
気候科学:将来の海水準上昇予測に見られる大きな幅
生態学:アフリカ中部の森林の植物相的および機能的な組成
発生生物学:生体外でのマウスの発生
コロナウイルス:SARS-CoV-2の現在拡散中で懸念されている変異株に対する中和活性
コロナウイルス:BNT162b2ワクチンによって誘発されたSARS-CoV-2中和抗体に対するB.1.1.7変異株の感受性
コロナウイルス:回復期血漿を用いたSARS-CoV-2変異株の交差中和