Nature ハイライト
合成:有機分子から窒素を削除する
Nature 593, 7858
合成化学は、単純な原料化学物質から極めて複雑な分子を構築する分野として進化してきた。合成反応の大半には官能基化やC–C結合形成が関わっているが、分子の中心骨格の編集はそれほど進歩していない。今回M Levinたちは、第二級アミンから効果的に窒素を「削除」するアノマー・アミド試薬を報告している。この試薬は、アミンと反応してイソジアゼンを形成し、N2ガスを放出させ、これによって生成された炭素ラジカルが結合することでC–C結合が形成される。この反応の応用可能性は、炭素環の構築や生物活性化合物の編集によって示されている。
2021年5月13日号の Nature ハイライト
電気化学:多層固体電池におけるデンドライト成長抑制
合成:有機分子から窒素を削除する
大気化学:雲中での酸生成
遺伝学:GWASバリアントを解釈するABC
微生物学:ソルビトールの利用がディフィシレ菌に優位性を与える
コロナウイルス:SARS-CoV-2の新しい変異株に関連した死亡リスクの上昇
医学研究:クローン病における異常な組織修復と繊維症
がん:腫瘍微小環境での栄養素の分配
発生生物学:HP1はゲノムのオーガナイザーである
構造生物学:DNA末端の橋渡し