Nature ハイライト
遺伝学:GWASバリアントを解釈するABC
Nature 593, 7858
ゲノム規模関連解析(GWAS)で得られるシグナルの大部分はゲノムの非コード領域にマッピングされているため、これらの遺伝的バリアントの機能についての系統的な深い理解は欠如している。J Engreitzたちは今回、ヒトの131の生物学的試料(細胞あるいは組織)でABC(activity-by-contact)モデルを用いて、エンハンサーと標的遺伝子の結び付きをゲノム規模でマッピングし、ABCで予測されたエンハンサーには、72の形質について詳細にマッピングされたGWASバリアントが多く存在することを明らかにしている。彼らはまた、炎症性腸疾患(IBD)に注目し、これらのABC地図が、GWASバリアントをIBDで役割を担う遺伝子と結び付け、遺伝的バリアントの関連する細胞タイプや組織に特異的にマッピングされることを示している。今回の研究ではさらに、IBDに関連する染色体10q22.3の座位も詳細に解析された。
2021年5月13日号の Nature ハイライト
電気化学:多層固体電池におけるデンドライト成長抑制
合成:有機分子から窒素を削除する
大気化学:雲中での酸生成
遺伝学:GWASバリアントを解釈するABC
微生物学:ソルビトールの利用がディフィシレ菌に優位性を与える
コロナウイルス:SARS-CoV-2の新しい変異株に関連した死亡リスクの上昇
医学研究:クローン病における異常な組織修復と繊維症
がん:腫瘍微小環境での栄養素の分配
発生生物学:HP1はゲノムのオーガナイザーである
構造生物学:DNA末端の橋渡し