Nature ハイライト

医学研究:クローン病における異常な組織修復と繊維症

Nature 593, 7858

クローン病は再発性の慢性腸疾患であり、炎症に加えて、多くの場合異常な治癒を特徴とする。最も影響の強い対立遺伝子には、細胞内のパターン認識受容体NOD2の機能喪失変異が含まれる。しかし、NOD2の病原性の根底にある機構や、抗TNF療法抵抗性患者における救済経路については、ほとんど解明されていない。J Choたちは今回、ヒトの臨床試料の解析とゼブラフィッシュモデルを組み合わせて、NOD2の喪失がクローン病において、病原性の活性化繊維化プログラムを亢進することで、異常な修復と繊維症を引き起こし得る仕組みを明らかにしている。この知見は、抗TNF療法を補完する可能性のある新たな精密治療戦略を示唆している。

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