Nature ハイライト
医学研究:クローン病における異常な組織修復と繊維症
Nature 593, 7858
クローン病は再発性の慢性腸疾患であり、炎症に加えて、多くの場合異常な治癒を特徴とする。最も影響の強い対立遺伝子には、細胞内のパターン認識受容体NOD2の機能喪失変異が含まれる。しかし、NOD2の病原性の根底にある機構や、抗TNF療法抵抗性患者における救済経路については、ほとんど解明されていない。J Choたちは今回、ヒトの臨床試料の解析とゼブラフィッシュモデルを組み合わせて、NOD2の喪失がクローン病において、病原性の活性化繊維化プログラムを亢進することで、異常な修復と繊維症を引き起こし得る仕組みを明らかにしている。この知見は、抗TNF療法を補完する可能性のある新たな精密治療戦略を示唆している。
2021年5月13日号の Nature ハイライト
電気化学:多層固体電池におけるデンドライト成長抑制
合成:有機分子から窒素を削除する
大気化学:雲中での酸生成
遺伝学:GWASバリアントを解釈するABC
微生物学:ソルビトールの利用がディフィシレ菌に優位性を与える
コロナウイルス:SARS-CoV-2の新しい変異株に関連した死亡リスクの上昇
医学研究:クローン病における異常な組織修復と繊維症
がん:腫瘍微小環境での栄養素の分配
発生生物学:HP1はゲノムのオーガナイザーである
構造生物学:DNA末端の橋渡し