Nature ハイライト
構造生物学:DNA末端の橋渡し
Nature 593, 7858
切断されたDNA末端は、DNA塩基配列の同一性がなくても非相同末端連結と呼ばれる経路によって再連結できる。Y Heたちは今回、クライオ電子顕微鏡を使って、この切断末端の連結に関わる2つの複合体を可視化している。長距離型複合体はDNA-PKcs、Ku、LigIV–XRCC4、XLFで構成され、2つのDNA末端をまとめて保持するが、末端間の距離は115 Å離れている。短距離型複合体では、DNA-PKcがリン酸化された後に解離しており、DNA末端は連結しやすいよう並んだ位置にくる。意外なことに、この複合体の構造から考えると、切断されたDNAの2本の鎖は、別々のLigIV分子によって複合体の両側にそれぞれ連結されるらしい。
2021年5月13日号の Nature ハイライト
電気化学:多層固体電池におけるデンドライト成長抑制
合成:有機分子から窒素を削除する
大気化学:雲中での酸生成
遺伝学:GWASバリアントを解釈するABC
微生物学:ソルビトールの利用がディフィシレ菌に優位性を与える
コロナウイルス:SARS-CoV-2の新しい変異株に関連した死亡リスクの上昇
医学研究:クローン病における異常な組織修復と繊維症
がん:腫瘍微小環境での栄養素の分配
発生生物学:HP1はゲノムのオーガナイザーである
構造生物学:DNA末端の橋渡し