Cover Story：高まる洪水リスク：衛星画像から明らかになった、洪水にさらされる人々と地域の数の増大

洪水は、他のどの環境災害よりも多くの人々に影響を及ぼす。そして、そうした洪水のリスクが高まっている。今回B Tellmanたちは、衛星画像と人口データを組み合わせて全球洪水データベースを開発することで、洪水にさらされる人々がどの程度増えるか明らかにしている。このデータベースは、2000〜2018年の913件の大洪水をカバーし、毎日撮影された250 mの分解能の1万2719枚の衛星画像を用いている。著者たちは、2億5000万〜2億9000万人の人々が洪水の影響を直接受けており、2000〜2015年の間に、洪水の影響を受ける地域に住む人口の割合が25％近く増えたことを見いだした。気候変動予測から、この割合は2030年までにさらに高くなり、少なくとも57の国々で、今年の中国の洪水（表紙画像）のような洪水にさらされる人口の割合がかなり増えると予想されることが示唆されている。著者たちは、今回の洪水データベースが、将来の潜在的な問題を緩和する計画戦略や適応戦略に情報を与えるのに役立つ可能性があると示唆している。

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