Nature ハイライト
物性物理学:液体金属類似物質における擬ギャップ
Nature 596, 7870
結晶固体や、液体のように短距離秩序を持つ相では、その電子バンド構造によって巨視的特性の多くが決まる。液体金属のバンド構造は数十年前に予測されていたが、その測定は、固体と比べてはるかに困難であった。今回K Kimたちは、液体金属に類似した系、つまり結晶固体と無秩序ドーパントの界面を調べ、そのバンド構造を測定した。その結果、予測されていたバンドの屈曲と、創発する擬ギャップが観測された。今回の結果は、例えば非従来型超伝導体の銅酸化物のような、無秩序ドーパントを含有する他の結晶固体の理解に役立つ可能性がある。
2021年8月5日号の Nature ハイライト
惑星科学:極域のオーロラによる木星の上層大気の加熱
光物理学:非線形フォトニック系における量子化された輸送
物性物理学:液体金属類似物質における擬ギャップ
有機化学:電気化学的なアジリジン合成方法
進化学:はるかに古い海綿動物の化石候補
神経科学:発達中の神経系の空間パターンを決める
コロナウイルス:SARS-CoV-2の懸念される変異株に対するモノクローナル抗体の有効性
コロナウイルス:SARS-CoV-2 mRNAワクチンはロバストな胚中心B細胞応答を誘導する
微生物学:共生菌類に対するIgA応答
遺伝学:CpGアイランド遺伝子を活性化する
構造生物学:細胞周期におけるセパラーゼ調節の構造基盤