Nature ハイライト

材料科学:機械的に調整できる布地

Nature 596, 7871

柔軟な状態の鎖かたびら状布地。これに圧力をかけると変形しない高剛性の構造になる。
柔軟な状態の鎖かたびら状布地。これに圧力をかけると変形しない高剛性の構造になる。 | 拡大する

Credit: Y Wang et al.

布地や織物の機械的特性は、その相互に連結した構造によって決まることが多い。今回Y Wangたちは、こうした予想に従わない構造化布地を開発している。この布地は、柔軟で折り曲げることができる状態と剛性の状態の間で、簡単かつ可逆的に調整できる。このアイデアの基本となるのは、中空の多面体粒子を連結させて布地を構築し、鎖かたびらに似た平坦構造を作り出すことである。その本来の状態では、得られる布地は柔軟で、あらゆる複雑な物体を覆うことができる。しかし圧縮されると、連結された粒子同士が、移動できないよう互いに邪魔をして、決まった位置に詰まった状態になり、布地が剛性になる。著者たちは、こうした調整可能な特性の組み合わせには、ロボティクスや医療のさまざまな用途に使用できる可能性があると示唆している。

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