Nature ハイライト

コロナウイルス:SARS-CoV-2デルタ変異株の抗体による中和

Nature 596, 7871

D Planasたちは今回、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)デルタ変異株(B.1.617.2)に対する抗体による中和について報告している。彼らは、三量体スパイクタンパク質との関連でB.1.617.2特異的な変異の位置を示し、真正のB1.617.2が、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療の緊急使用の認可を得た特定のモノクローナル抗体では中和されないことを実証している。著者たちは、B.1.617.2がCOVID-19から回復した人の血清による中和を回避するという証拠を提示している。ファイザー–バイオンテック社あるいはアストラゼネカ社のCOVID-19ワクチンの初回投与を受けた人の血清は、アルファ変異株(B.1.1.7)をいくらか阻害することが観察されたが、B.1.617.2をほとんど阻害できなかった。ワクチンを2回摂取すると95%の人で中和応答が生じたが、デルタ変異株に対する力価は、多くの場合、アルファ変異株に対する力価の3分の1~5分の1であった。

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