Nature ハイライト

分子生物学:スプライシングの際に行われる間接的な校正

Nature 596, 7871

スプライシング、すなわちmRNA前駆体からイントロンを切除する過程では、まず第一段階として、イントロンの5′末端がイントロン内部にある分岐部位と呼ばれる下流の配列と対を作る。RNAヘリカーゼPrp5は、この分岐部位の正しいヌクレオチドを直接認識するのに関わっているとされている。今回R Lührmannたちは、スプライソソーム複合体前駆体のこれまで知られていなかったクライオ電子顕微鏡構造について報告しており、これによってPrp5の機能についての手掛かりが得られた。予想に反して、Prp5による分岐部位の校正と選択は、分岐部位自体がPrp5のポケット内に入る形で行われるのではなく、分岐部位を囲むRNA–タンパク質複合体の構造を間接的に読み取って行われることが分かった。また、この構造から、Prp5の存在自体が、別のRNA–タンパク質複合体、つまりU4/U6.U5 tri-snRNPの結合を、校正が完了するまで妨げていることも示された。

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