Nature ハイライト
古海洋学:210万年前に強化されたインド洋循環
Nature 598, 7882
更新世を通して海洋循環の多くの要素が変化したことは知られているが、大西洋と比べるとインド洋では長期の連続的記録が少ない。今回J van der Lubbeたちは、アフリカ南東部とマダガスカルの間に位置する海洋コアから得られた700万年間の流速変動の記録を提示している。この地点では、インド洋循環全体の重要な構成要素であるモザンビーク海峡通過流(MCT)の変動が記録されていた。著者たちは、MCTは約210万年前まではおおむね弱く安定していたが、その後、流れが急速に速くなってその状態が約100万年前の中期更新世気候変換期まで続き、その際は氷期–間氷期サイクルの強まりと同時に振幅が増大したことを見いだしている。
2021年10月28日号の Nature ハイライト
物性物理学:強相関励起子絶縁体
エネルギー科学:高速イオン輸送のためのセルロースの分子操作
エネルギーインフラ:ソーラーパネルを探す
古海洋学:210万年前に強化されたインド洋循環
生態学:植物による過去の降水の利用
生理学:電気鍼治療の神経解剖学的機構
神経科学:報酬消費の調節におけるオピオイド系の役割
免疫学:宿主–微生物相の相互作用に対して腸の分泌型IgAが担う機能的役割
免疫療法:がん免疫療法への代謝マイクロバイオームの連携
ウイルス学:VEEVの構造について得られた新たな知見
構造生物学:発生ホルモンによるシグナル伝達のスナップショット