Nature ハイライト
構造生物学:発生ホルモンによるシグナル伝達のスナップショット
Nature 598, 7882
糖タンパク質ホルモンはヒトの生殖に関係する複雑なホルモンである。そのうちの2つ、黄体形成ホルモン(LH)と絨毛性性腺刺激ホルモン(別名コリオゴナドトロピン;CG)は同じGタンパク質共役受容体LHCGRを介してシグナル伝達を行い、どちらも性分化疾患や生殖障害の治療薬として使われている。今回E Xuたちは、CGによって活性化された場合など、シグナル伝達のさまざまな状態にあるLHCGR–GS複合体の構造を報告している。その活性化機構は複雑で、細胞外ドメインが伸びてCGに巻き付く形をとる。小型のアロステリックアゴニスト分子と結合した構造からは、分子薬創薬への道筋が見えてくる。
2021年10月28日号の Nature ハイライト
物性物理学:強相関励起子絶縁体
エネルギー科学:高速イオン輸送のためのセルロースの分子操作
エネルギーインフラ:ソーラーパネルを探す
古海洋学:210万年前に強化されたインド洋循環
生態学:植物による過去の降水の利用
生理学:電気鍼治療の神経解剖学的機構
神経科学:報酬消費の調節におけるオピオイド系の役割
免疫学:宿主–微生物相の相互作用に対して腸の分泌型IgAが担う機能的役割
免疫療法:がん免疫療法への代謝マイクロバイオームの連携
ウイルス学:VEEVの構造について得られた新たな知見
構造生物学:発生ホルモンによるシグナル伝達のスナップショット