Nature ハイライト
免疫:HIVの進化と抗体形成のパターン
Nature 496, 7446
H Liaoたちは、1人のアフリカ人患者でのHIV-1ウイルスの感染時からの進化と、それと同時に起こる広範囲中和抗体(BnAb)の共進化を3年以上にわたって観察した。HIV-1ウイルスのCD4結合部位を認識するこの中和抗体はCH103系統の新しいタイプのBnAbで、VRC01クラスのモノクローナル抗体とは異なり、ほとんどループだけを使って結合する。このCH103系統の抗体は感染後の早い時期に出現しているが、それはこの抗体は変異の数が他の広範囲中和抗体より少なく、異例なマクロ突然変異も少ししかないため、誘導が容易であるためと考えられる。この研究は、宿主内で広範囲中和抗体を産生する可能性のあるウイルス株を示唆しており、HIVワクチン開発に影響を及ぼしそうだ。
2013年4月25日号の Nature ハイライト
量子物理学:「量子性」を検証する古典的方法
システム生物学:ヘルパーT細胞の分化の制御
免疫:HIVの進化と抗体形成のパターン
構造生物学:溶液中巨大分子構造の新しい評価方法
計測:生細胞内の生体磁気構造体を視覚化する
地球:マントル物質循環の時間スケール
遺伝:ゼブラフィッシュのゲノム解読
免疫:高塩濃度と自己免疫疾患との関連
構造生物学:リン酸輸送体タンパク質の構造