Nature ハイライト

計測:生細胞内の生体磁気構造体を視覚化する

Nature 496, 7446

近年、ダイヤモンドに見られる窒素空孔(NV)色中心が、磁気構造の優れた高精度プローブとなって単一スピンまで探れることが示されている。NV中心はまた、周囲条件で高分解能の磁気画像化を行うという独自の機能を実現できるので、生きた生物試料の磁気特性の研究に使えそうだと考えられている。R Walsworthたちは今回、NV中心を含むダイヤモンドチップを用い、生きた走磁性細菌の画像を、実験室周囲条件において細胞の大きさ以下(400 nm)の空間分解能で得た。走磁性細菌の内部では鎖のようにつながった磁性ナノ粒子(マグネトソーム)が磁場を作り出しており、この磁場が再構成された。今回の成果は、磁性構造体の生体画像化という新しい機能を提示しており、この方法は磁気ナビゲーション機構と考えられている生体内磁性ナノ粒子形成を観察するのに使用できるかもしれない。

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