Nature ハイライト
がん:まれな脳腫瘍の解析
Nature 511, 7508
頭蓋内胚細胞腫(IGCT)は、主に思春期の男性に発症し、アジアで多く見られるまれな腫瘍であるが、比較的わずかな理解しか得られていない。著者たちはエキソーム塩基配列解読、標的化大規模塩基配列解読、SNPアレイを用い、62人のIGCT患者について解析し、KIT/RASおよびAKT/mTORシグナル伝達経路に高頻度に変異が見られることを明らかにし、またヒストンデメチラーゼでありアンドロゲン受容体のコアクチベーターでもあるJMJD1Cにまれな生殖系列変異を見いだした。この研究は、KIT/RAS活性化の抑制とAKT/mTOR経路を標的とする治療が、有望な戦略候補となることを示唆している。
2014年7月10日号の Nature ハイライト
細胞:幹細胞種間の比較
免疫:エンドドキシン耐性とトリプトファン異化のつながり
構造生物学:NMDA受容体の小孔の構造
量子物理学:量子速度測定法
応用物理学:スマート薄膜カラーディスプレイ
海洋化学:北大西洋の鉄供給源
行動経済学:思いやりのある大多数の人々の票が未来の人々を助ける
動物衛生:ウシ結核の管理での最重要標的はウシ
がん:まれな脳腫瘍の解析